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みどりの通信 2024年12月号 次の季節へ/ケールは思い出の味だった

次の季節へ

 11月に入ると、天気予報を見てはいつ霜〈しも〉が降りるだろうかとソワソワします。霜が毎日のように降りるようになるのはもう少し先のこと。いま時期は、冷え込む夜(風もなく、雲もなく、「キーン」と空が晴れわたっているような夜)があると、「ああ、明日は霜が降るな」と身構える日々です。来たるべき霜の日に合わせ、畑ではレタスや春菊など寒さに弱い野菜類たちに不織布をかけたりして防寒してまわります。

 引いては返す波のように、霜が降る朝が繰り返し訪れるうち、あれだけ旺盛に生えていた草も枯れ、長くとれていたピーマンやなす、インゲンも次第にしわしわに。寒さに弱い夏野菜や葉物が終わり、根菜や結球野菜の季節へと移り変わっていきます。

 山でも紅葉していた葉が落ちていき、野も山も色が少なくなります。にぎやかに飛び回っていたバッタやコオロギ、カエルたちもだんだんと姿を消していき、冬至が近づくにつれて夜はぐんぐん長くなり、今年も冬がやってくるのだなあと思います。

 そんなひっそりとした季節、畑ではえんどう豆や麦の種をまいたり、にんにくや玉ねぎを植えつけたりと来年の春から初夏のための準備を進めています。植えたばかりの玉ねぎや、芽が出たばかりのにんにく、えんどう豆たちはひょろひょろしていて心もとない感じがしますが、冬の間に土のなかでエネルギーを貯め、あたたかくなれば元気なみどりが出てくることでしょう。

 今年を振り返ってみると、内から外から、さまざまな荒波がどっぷんどっぷんとやってきて(虫害、酷暑、体調不良といった身近なところから、戦争にジェノサイド、排外主義の蔓延など世界のあれこれ…)、そのたびに足元がぐらぐらと揺れ続けた年でした。荒涼とした世の中の雰囲気に光を見出すのは容易なことではありませんが、粛々と種をまいたり苗を植えたりすることで、私たちもエネルギーを貯めて、次の季節(ちょっとでもましな世界)にむけた準備となればいいなと思います。

 綱渡りの日々でしたが、何とか続けられたのは皆さんのおかげです。今年も一年、本当にありがとうございました。 (照手)

 

ケールは思い出の味だった

 今年はじめて、ケールをつくりました。ケールといえば、おじいさんがコップに入った青汁を飲み干し、渋い顔で「まずい!もう一杯」というCMが幼少期に繰り返し流れたり、笑っていいともの罰ゲームで使われたり…ケール=青汁=まずいという印象が、脳に刷り込まれていました。ところが近年、高い栄養価はそのままに食味が改善されてきていてるということで、初めて栽培してみました。

 9月に植え付け、ヨトウムシの襲撃をうけながらも、11月中旬に初収穫を迎えました。熱した油にみじん切りのニンニクと玉ねぎを投入し、そこへ細切りにしたケールたっぷり入れ、ガシガシ炒め、塩をパラパラ。できあがったテキトウ野菜炒めですが、ひと口食べ、驚嘆しました。

 タンザニアに住んでいた頃毎日食べていた料理「スクマウィキ」だったのです。調べてみると、スクマウィキもケールを炒めたものでした。タンザニアに住んでいた頃は、「マジャニ(葉っぱ)」という名前で市場に売られていたのでケールだと気づかなかったのですが、そうか、知らず知らずのうちにケールを毎日食べていたのか!と驚きました。 (友亮)

 

年末年始のお休み

 12月30日(月)、1月1日(水)、3日(金)は野菜セットの発送と配達をお休みさせていただきます。その代わりに、ご希望の方には12月28日(土)、1月6日(月)に野菜セットをつくるので、セットが休みになる分、この日に送ってほしい、または、通常のセットに加えてこの日も欲しいという方がいましたらお知らせください。