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みどりの通信 2024年11月号 インゲンVSニンゲン/里芋が豊作です

インゲンVSニンゲン

 先月の通信に書いたように、長い残暑のせいで大発生したヨトウムシに苦しめられ、この秋はキャベツ、カリフラワー、カブなどのアブラナ科の野菜は壊滅的でした。そんななか、秋のインゲンはヨトウムシの食害に耐えながら、ツルをグイグイ伸ばしてたわわに実をつけており、今期のセットを支えてくれています。

 支柱に這わせたインゲンは、緑のカーテンのように生い茂り、下のほうから実をつけていきます。我々はこの実をさやごと食べるたいがために中の豆(種)が大きくなる前、さやがまだやわらかいうちに収穫します。インゲンの気持ちとしては、さっさと下の方で実をつけて太らせ、種を充実させて子孫を残し、その生をまっとうしたい(もう実はつけたくない)ようです。が、そうはさせるか(野菜の少ない時期にインゲンがとれないと困る!)と我々ニンゲンが豆が大きくなる前に実を徹底的にとっていきます。すると次こそは!とインゲンはまた実をつけます。取り残しがあると、子孫を残す方に栄養を沢山送ってしまい、新しくインゲンの実がならず、収量が激減してしまうためニンゲンは気が抜けません。

 インゲンが実をつける、ニンゲンが全部取る、実をつける、全部取る…を繰り返していくと、いい加減にしろ!という感じで、いっせいに実をつけて反撃(?)します。そこでニンゲンが負けじとせっせと実をとるので、おかげでたくさんのインゲンを野菜セットに入れられるわけです。

 インゲンは初夏(7月頃)に収穫する作型と、秋(10~11月)に収穫する作型の2通りあります。夏場は早朝から収穫していても、日の出から急激に上昇する気温にニンゲンがやられてしまい(&ほかの夏野菜の収穫がどんどん増えてくることもあり)実を完全にとり切ることができず、収穫期半ばインゲンの勝利となっていました(インゲンはこれで子孫が残せる!と新たに実をつけるのをやめてしまい、収穫が終了する)。ですが、秋は涼しさがニンゲンに味方して(&夏野菜がとれなくなってくるので)、インゲンを長く収穫できています。 (友亮)

 

里芋が豊作です

 今年は夏から秋にかけて雨の多い年で、里芋が例年になく好調です(*1、2)。

 我が家にやってくる自家用野菜の大半は、虫食いがあったり、小さかったりとお客さんに出荷できないものばかり。昨年などは夏の干ばつで小さい芋しかとれず、家にやってくるのは本っ当にちっこいみそっかす。皮をむくのも火を通すのも面倒でなかなか料理する気が起きなかったのですが、今年は好調の恩恵をあずかり、まるまると大きな芋もやってくるので、皮をむく甲斐もあり、よし料理するかという気持ちに。

 味噌汁の実にするほか、煮っころがし、ひき肉のそぼろ煮、筑前煮、鍋いっぱいの芋煮などにするのが定番ですが、先日ヤリイカと煮物にしたら大変美味でした。残った煮汁もイカの出汁が出ていて絶品。里芋のぬめりでとろんとしていたので、翌日半熟オムレツ的なものにかけて、かに玉あんかけならぬイカ玉あんかけとしました。

 ちなみに今年の里芋は小芋であってもみずみずしく、蒸かして皮をむいただけでお団子のようにむちっとしておいしいです。そのまま醤油をひとまわしして食べることが多いですが、ネットで見かけた「里芋の唐揚げ(蒸かして皮をむいたものにしょうが醤油をからめて少しおき、片栗粉をつけて揚げる)」もおいしそうで、今度やってみようと思います。  (照手)

 

*1…里芋豊作につき、増量したい、という方がいれば追加でお入れできるのでお知らせください(500g400円)。

*2…何かの野菜がとれなくても、何かの野菜がとれる、ということでなんとかまわっています。里芋豊作の代わり?に今年はさつまいもが不作です(涙)。