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みどりの通信8月号 酷暑の中の野菜たち/酷暑の責任

酷暑の中の野菜たち

 「熱中症の危険が高くなっているので、不要不急の外出を避け…」と町内放送が流れる毎日。もはや日中に働くことは放棄しました。早朝4時半から午前中いっぱい働き、午後は夕方4時くらいからもぞもぞ動きだす、働くときは必ず空調服を着るというふうに、私たちは逃げ場もあり、対策も立てられるのですが、動けぬ野菜たちはそうもいきません。

 きゅうりやピーマン、トマトなどの夏野菜は、暑さに強いのですが、6月からの酷暑続きで例年と様子が違います。身の丈1・5mほどになったきゅうりの主枝が上からどんどん枯れたり、ピーマンやトマト(サンティオ)の実が、強い日差しを受け黄色く日焼けしたり…。主枝更新や遮光などいろいろと対策をしているのですが、例年よりもロスが多く出ています。

 いっぽうで、10~11月どりのにんじんは7月中旬から種をまいていますが、発芽したそばから強い日差しでどんどん枯れていき、1/3程度しか生き残っていません。がしかし、よく見ると播種直後に猫が歩いて踏んづけた場所だけ土が乾かず、しっかり生育を続けていました。調べると、播種後に強めの鎮圧をすることで、地下水が地表部近くまで上がって乾きにくくなるとのこと(毛細管現象)。次回からはおじさんの足跡でもって、酷暑でも枯れないにんじんを育てたいと思っています。(友亮)

 

酷暑の責任

 毎年、この時期になると気候危機が我が身に迫って感じられ、「おまえら人間どうするんだ」「人間変わらなきゃ未来はないぞ」と首元にナイフの切っ先をつきつけられ責め立てられている気持ちになります。今年はじめての夏を迎えるうちの0歳児にとっても厳しい季節で、気温調節が未発達なためか、しょっちゅう体調を崩し、脱水で発熱、下痢だ嘔吐だ、ヘルパンギーナだと、先月に引き続き、月に半分くらいしか預けられない日が続いています。  

 環境活動家の平田仁子さんはSNSで次のように書いています。 「この暑さは、私たちが日々化石燃料を使い続けていることによって加速している。だから化石燃料利用を見直さなければならない。でもそれは、エアコンを我慢して命を危険に晒すことではない。命を守りながら、再エネの電気に変えたり家や建物を断熱したりして、化石燃料を使わずにすむようにすること。」

 冬が来てこの暑さを忘れてしまう前に、人間が引き起こしているこの災禍に対して、各々が何かしら行動しなければと思います。

 例えば電力会社を再生可能エネルギー主体の会社に切り替える(*1)。植物性食品中心の食生活に変える(*2)。化石燃料由来のプラ製品をなるべく買わないなど…。生活のなかでできることはたくさんあります。

 農家としては、化石燃料由来のマルチフィルムなどの資材や梱包に使うプラフィルムをもっともっと減らしていきたいと思っていますが、手が足りないのを理由に今すぐ手放すことができないのが現状で、歯がゆいです。長い目で見て、持続可能な農業に変えていかねばと考えています。 (照手)

 

*1…これにより、家庭から排出されるCO2の量を半分削減できるという試算あり。みどりのでは3年ほど前にgreen people’s powerという電力会社に変えました。パワーシフトキャンペーンのホームページから、選び方や考え方をふくめ、さまざまな電力会社を参照することができます。

*2…家畜由来の温室効果ガスは、世界全体の温室効果ガスの約15%を占めるというデータがあります。他にも家畜の飼料栽培のために森林伐採や食料危機が引き起こされていたり、動物福祉の観点からも、畜産はさまざまな問題をはらんでいます。

 

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