みどりのの片割れ(照手)が編集を担当した布作家・早川ユミさんの本『種まきびとのちくちくしごとー野良シャツ、柿渋染めエプロン、子ども服(農文協)』が今日発売になったので少し宣伝させてください。
著者の早川ユミさんは高知の山のてっぺんで自給自足の暮らしをしながら、アジアの手織りの布や山岳少数民族の布、草木染の布で衣服をつくっている方です。
服つくりというと難しそう、たいへんそうというイメージですが(私もずっとそうでした)、ユミさんは「きっちり、かっちりとしなくても、だいたいで大丈夫」「子どもの工作のような感覚で自由にちくちく」していいんだよといいます。普通の洋裁とは違って、ロックミシンや型紙がなくても大丈夫。複雑に布を切る必要がなく、布に無駄の出ないつくりになっているのです。
そんなユミさんの服つくりを間近に見せてもらっているうち、私もやってみたい!と思うように。裁縫というと高校の家庭科でやった記憶がぼんやりあるくらいだったのが、この4年のうちにもんぺやエプロン、開襟シャツ、カレン族のシャツ、子ども服をつくり…。気づいたら服つくりにすっかりはまっていました。今では畑仕事をするとき、自分のつくったもんぺやシャツ、エプロンがなくてはならないものになっています。
手を動かせば、あれもこれも、自分の身に必要な服や下着や道具がつくれる。自分が毎日食べるものをつくりたいという思いで農家になりましたが、おなじように、少々へたっぴでも着るものが自給できるということは私にとってとってもうれしいことでした。
昔はどこの家でもちょっとした繕いものをしたり、子どもや自分の服をつくったりすることは、毎日のごはんづくりと同じように自然なことだったと思います。解説の写真つきで裁縫初心者の私でも簡単につくれるような構成になっているので、よろしければ本屋さんなどで手に取って見てみてください。
刊行に合わせてユミさんのちくちくしごとの様子を写した動画もとってもいいです。こちらもぜひ。
*余談ですが、早川ユミさんは服つくりだけでなく、料理本も出されています。取材でお邪魔するたびにごちそうしてもらった料理がいつも本当においしくて、みどりのの料理メモでも教えてもらったレシピをちょくちょく紹介しています(「ほうれん草なべ」や「白菜と肉団子のスープ」など)。